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「若い二人へ −結婚式での挨拶」H21・6

先日、同じ宗派のお寺の息子さんの結婚式に出席させていただきました。
事前に挨拶を頼まれていましたので、次のようなお話をいたしました。


私ども浄土真宗は「在家仏教」と言われています。
在家仏教とは家庭生活を営みながら、その中で仏さまの教え(お念仏の教え)を喜んでいく、或は、仏さまの教え(お念仏の教え)を支えとして家庭生活を営むということです。

これは親鸞聖人以来、我が教団の伝統でありますが、浄土真宗の僧侶の結婚というのは、まさにこうした仏さまの教えを支えとした家庭生活を生涯通して実践していくことにあると思います。

お経に、「当相敬愛」という言葉がありますが、夫婦はお互い敬い合い、愛し合うことがもっとも大切なことだと書いています。つまり愛に敬いがなければそれは本当の夫婦ではないということです。

そこで、若いお二人にこれから夫婦生活を送る上で、是非心がけて頂きたいことを二つ申し上げたいと思います。

その一つは、「短所は片目で見る。長所は両目で見る」ということです。

どういうことかと言いますと「相手の悪いところは大目に見てあげる。そして相手の良いところはしっかりと見てあげる」という意味です。

というのは、我々人間の目は、悪いところはよく見えるのですが、良いところは中々見えないように出来ているのです。
特に、夫婦の場合それが顕著になってきます。

しばらく夫婦生活を続けておりますと、当然お互いの良いところも悪いところも見えてくるのですが、どういうわけか、相手の良いところは見ようとせずに、悪いところばかり見てしまうのです。
こうしたことが長年続くと、夫婦として一番大事な「相手を敬う」という気持ちが無くなるのです。

そうなると、奥さんは「当てがはずれた、当てがはずれた」と言うし、主人は主人で「一生の不作じゃ」と言う、まさに名ばかりの夫婦、形ばかりの夫婦に成ってしまうのです。
それもこれも、相手を敬うという心を失ったことに原因があるのです。

そうならないためにも、「短所は片目で見て、長所は両目で見る」ということを是非心がけていただきたいと思います。

また、今一つ心がけて頂きたいことは「何事も相手の都合を優先する」ということです。

実はこれが、独身時代と一番違うところだと思います。

独身の頃は、「好きな時に起き、好きな時に食事をして、好きな時に遊んで、好きな時に寝る」というように、何をするにも自分の都合で生きてきたと思います。

つまり、自分の都合100%で生きてきたわけです。

それを、これからは相手の都合を優先していく、少なくとも自分の都合を半分(50%)に抑えていく、これが「二人で人生を共にする」ということだと思います。

仏教では、こうして相手の都合、相手の立場を100%優先されるお方を「仏さま」とおっしゃるのです。

また、そういう人生をめざしていこうとする方を「菩薩」と言うのです。

菩薩とは「あなたの幸せが私の幸せです。あなたが幸せでなかったら私も幸せではありません」という心を持った方です。

ですから、「相手の都合を優先して生きる」ということは、そういう菩薩さまの心を家庭生活の中で実践していくということになるのです。

100%自分の都合で生きてきた人生を、相手の都合100%の人生に転じていこうと努力していく、そこに在家仏教の意義があるのです。

以上申し上げた二つのこと、「短所は片目で見て、長所は両目で見る」ということと「何事も相手の都合を優先する」ということ、中々実行することは難しいことですが、是非若いお二人には生涯通して心がけていただきたいと思います。

そうして、お念仏のみ教えに支えられ導かれながら、共に敬い愛し合う麗しいご家庭が築かれますよう心から念じ上げる次第です。

以上のようなお話をいたしました。


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